京都府立大江高等学校の学力向上フロンティア計画「OE-Study」のオフィシャルサイト。

数学

 大江高校数学科は、各団体が主催している研修に積極的に参加しています。
 教員は、日頃、学校を離れる機会はそれほどありません。それは、生徒のみなさんと時間を共有し、支えることが最も大切な仕事であるからです。しかし、一方で、校内の数学科の同僚や近隣校との交流だけでは、様々な意見を取り入れることが難しくなってしまいます。そういった点を解消するために、長期休業中やテスト期間を利用して、積極的に外部の研修会に参加しているのです。
 このような努力を積み重ね、大江高校の生徒に、興味を持ちやすく、分かりやすい数学の授業を提供できるように、数学科の教員全員が心がけています。

(1)教科書会社主催の研修

平成21年度から、年1回、教科書会社主催の研修に参加しています。
参加する目的は2つあります。1つ目は、教科書作成のポイントを知るということです。教科書会社は、全国の高校の先生方から意見を集め、少しでも指導しやすいよう工夫された教科書を作成されています。つまり、教科書会社が作成に気を配った問題は、理解させ辛い問題であると言えるわけです。研修に参加することにより、注意すべき問題を知り、授業の際、丁寧な指導を心がけることができるのです。
2つ目は、教科書を分かりやすく教える工夫を知るということです。研修では、例えば、教科書の内容を理解しやすくするためにはどのようなプリントを作成すればよいかを、その作成方法と合わせて教えていただきます。ここで学んだ作成法を、各教員がより分かりやすいようアレンジすることにより、授業で配布するプリントや週末課題をよりよいものにしているのです。

(2)予備校主催の研修

平成22年度の冬に、初めて大学進学予備校主催の研修に参加しました。
予備校は、高校とは異なり、大学入試を突破することのみに主眼を置いた指導をされています。そのために、徹底的に各大学の入試問題を分析されています。分析を通して、受験数学を指導するポイントや、今後の入試問題の傾向予測などを熟考されているのです。特に、予備校で人気講師と呼ばれる先生方の授業は、指導ポイントをしっかりと、分かりやすく押さえる授業であり、私たちが学ぶべき点もたくさんあります。研修に参加し、このようなポイントを学ぶことにより、進学講習の内容をよりよいものとし、難関大学を突破できるように工夫しています。

(3)全国高等学校数学研究大会

平成21年度から、夏季休業中に実施されている全国高等学校数学研究大会に参加しています。
各都道府県では、各校の数学の先生が集まって、研究をしています。我が京都府にも、京都府高等学校数学研究会というものがあり、様々な情報交換や意見交流を行っています。そして、毎年、夏季休業中に、日本全国から数学の先生が集まって、全国高等学校数学研究大会を開催しているのです。この大会では、大きく2つのことが行われます。1つは、大学の先生方を多数お呼びし、最新の数学について教えていただくことであり、もう1つは、全国の数学の先生方が、各々の授業の創意工夫を発表することです。
平成21年度は京都府で開催されました。地元での開催でしたので、会場運営をする一員として参加しながら、各発表に耳を傾けました。平成22年度は新潟県で開催されました。少し遠方ではありましたが、大学で優れた研究をされている先生方のお話は、何事にも代えがたい財産となりました。今後も、積極的に参加していくことはもちろん、大江高校数学科の取組を、全国の先生方に胸を張って紹介できるよう、校種間連携など様々な取組を今以上に活性化し、生徒の数学力向上を果たしていきたいと考えています。

○ 平成19年度

 

第1学期

・大江中学校との連携①(高校の授業公開、研究協議)

第2学期

・大江中学校との連携②(中学校の授業参観、研究協議)

 

○ 平成20年度

 

第1学期

・大江中学校との連携①(高校の授業公開、研究協議)

第2学期

・大江中学校との連携②(中学校の授業参観、研究協議)

・小学校・中学校・大学との連携(高校の授業公開、小・中・高の違いについての研究協議)

 

○ 平成21年度

 

第1学期

・大江中学校との連携①(高校の授業公開、研究協議)

夏季休業

○教科書会社主催の研修会参加

○全国高等学校数学研究大会(京都府)参加

・大学との連携(普通科数理科学コース生徒対象の講演会)

・小学校・中学校・大学との連携(小・中・高の違いについての研究協議)

第2学期

・大江中学校との連携②(中学校の授業参観、研究協議)

 

○ 平成22年度

 

第1学期

○教科書会社主催の研修会参加

・大江中学校との連携①(高校の授業公開、研究協議)

・地域に小学校との連携①(小学校の授業参観、研究協議)

夏季休業

○全国高等学校数学研究大会(新潟県)参加

・小学校・中学校・大学との連携(小・中・高の違いについての研究協議)

第2学期

・地域の小学校との連携②(小学校の授業参観、研究協議)

・大江中学校との連携②(中学校の授業参観、研究協議)

・地域の小学校との連携③(小学校の授業参観、研究協議)

・地域の小学校との連携④(小学校の授業参観、研究協議)

冬季休業

○予備校主催の研修会参加

第3学期

・地域の小学校との連携⑤(小学校の授業参観、研究協議)

・地域の小学校との連携⑥(高校の授業公開、研究協議)

 

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 大江高校数学科は、地域の小学校、中学校や府内の大学と積極的に連携を図っています。
 数学という教科は、積み重ね型の教科と言われるように、一度つまずくと、その挽回が容易にできないことがあります。それは、小学校、中学校、高校の学習が繋がっているからです。従って、教員も、その繋がりを意識した授業を行う必要があります。そこで、地域の小学校と大江中学校、そして大江高校が互いに交流し、他校種での学習内容を理解するよう努めています。また、年に1回、大学で算数・数学教育に関して研究しておられる先生に来ていただき、客観的な視点から見た校種間の繋がりについても勉強しています。
 このような努力を積み重ね、大江高校の生徒に、興味を持ちやすく、分かりやすい数学の授業を提供できるように、数学科の教員全員が心がけています。

(1)大江中学校との連携(平成19年度より実施)

第1学期、第2学期に1回ずつ実施しています。第1学期は、中学校の先生に高校まで来ていただいて、授業公開、研究協議をしています。高校の授業は、中学校より学習量が多く、進度も早くなります。その中で、我々が気を付けるべき点を教えていただいています。また、高校からは、中学校でより重点的に指導いただきたい点を示しています。
第2学期は、中学校に行き、授業参観、研究協議をしています。授業参観だけではなく、小中連携の様子や福知山市内の中学校同士の連携の様子なども教えていただき、状況を把握して中学生がつまずきやすい点を知ることにより、高校の授業で再度その箇所を復習し、理解しやすいよう工夫しています。

(2)大学との連携(平成20年度より実施)

夏季休業中に実施しています(初年度のみ第2学期に実施)。大江地区には大学などの上級学校がないため、京都市内の大学の先生方にお願いし、各校種の特徴や考慮すべき点について、客観的なご意見を頂戴し、中高連携、小高連携にも活かしております。平成20年度、21年度は、分数教育を中心として、子どもの発達段階に応じた指導法の重要性に気付かせていただきました。平成22年度は、小学校と中学校・高校における考え方の違いを理解した上で指導・連携することの大切さを学ばせていただきました。開催時には、近隣の小・中学校にも案内をし、例年、校種を超えて意見交流でき、大学の先生からアドバイスを頂戴できる場となっています。
    また、平成21年度は、夏季休業中に、本校普通科の数理科学コース選択者を対象に、数学の美しさやこれからの数学について講演していただきました。今後も、このような機会を提供できるよう努めていきたいと考えています。

(3)地域の小学校との連携(平成22年度より実施)

1~2か月に1回のペースで実施しています。小学校の授業参観、研究協議に参加させていただいています。小学校は、中学校・高校と大きく異なり、基本的に1人の先生が様々な教科を教えていらっしゃいます。つまり、算数・数学の専門家とは限らないのです。そこで、小学校での学びが中学校、高校へとどのように繋がっていくのか、より専門的な立場から示しています。第3学期には高校の授業も公開し、相互に学びあえるよう努めています。
また、小学校の授業では、具体的な道具などを用いて、興味を持ちやすいような工夫をされます。このような工夫は、機会を見つけて、高校の授業でも活かしていきたいと考えています。